サウナには水風呂が欠かせない?その理由に迫る!

水風呂

リラックス効果やダイエットにも活用されるのがサウナ。現在は第3次サウナブームと呼ばれるほどの活況を見せています。そんなサウナと水風呂はセットでしょう。ですが、なぜだと思いますか?

「ととのう」という言葉との関連性など、サウナと水風呂の関係にはいろいろなポイントが隠れています。そんな水風呂の利用意味を知るとサウナがさらに楽しいものになるでしょう。

サウナと水風呂?なぜ必要なのか

サウナ室

サウナには水風呂が大事な相棒です。これはなにもステレオタイプに呼びかけているわけではありません。身体にさまざまな効果をもたらしてくれるからこそ、水風呂の存在が欠かせないのです。

疲労回復

サウナで温まったあと、水風呂につかると身体から疲れが溶け出すような感じがしませんか?これは水風呂に入ったことで疲労回復効果が働いているからです。
人間の身体は温まると血管が拡張します。血液の流れがよくなり身体にたまった疲労物質も流れやすくできるのです。そのあとに水風呂に入ると、いったん収縮するものの、実はさらに血管が拡張されます。サウナと水風呂を繰り返すことで、身体にたまった疲労物質や二酸化炭素もどんどんと押し流すからこそ、疲労回復に役立ってくれるのです。
血管は栄養を運ぶ輸送路にもなっています。運んでくれるのは血液で、酸素と一緒に身体の各所へ配っていくのです。身体の細胞は酸素と栄養素を受け取り活性化します。これが疲労回復に役立つポイントなのです。

自律神経への影響

神経

水風呂に入ると自律神経に影響を与えます。サウナで身体を温めると血管が拡張しますが、これは自律神経の中でも副交感神経が活発化するからです。サウナに入ると身体に掛かるストレスが軽くなるのを感じられるでしょう。これも副交感神経が働いてくれているからです。入っている時間とともにだんだんと辛くなり、熱さにストレスを感じ始めると交感神経が優位に立ちます。
水風呂に入ると、瞬間的に交感神経を刺激します。交感神経は覚醒効果があるため、水風呂に入ったとたんにシャキッとするのです。
交感神経の働きですが、時間とともに副交感神経が活発化します。徐々に温度に慣れてストレスが減ってくるからです。外気浴も取り入れることで、ゆっくりと副交感神経の働きがおさまります。
サウナから水風呂と刺激を交互に繰り返すことで、日常生活で狂いやすい自律神経に刺激を与え整えてくれるのです。

冷え性改善

人間の身体を隅々まで温めてくれるのは、血液が熱を伝えてくれるからです。この熱は本来筋肉が作り出します。冷え性の人は筋肉量が低く、運動など身体を動かさない人に多く見られる理由です。
サウナでは身体を温め血管を拡張し、身体の隅々まで熱を伝えやすくなります。さらに水風呂に入ると、血管が一瞬収縮しますが、徐々に拡張していくのです。サウナと水風呂を繰り返していると末端まで血管が広がり、血流が改善されていくため、冷え性改善に役立ってくれます。

覚醒しながらのリラックス効果

リラックスする女性

日常的な疲れやストレスは、どこかで断ち切りたいものです。サウナでリフレッシュしたい人も多いでしょう。ここに大事なポイントがあります。
サウナ室の温度は、外気温よりかなり高いはずです。そうでなければ汗も出ません。この高い温度にいることによって、「アドレナリン」の分泌が進みます。「アドレナリン」とは、脳が危険と判断したときに分泌するホルモンのことです。
さらに「ノルアドレナリン」の分泌も進みます。「ノルアドレナリン」とは、興奮物質です。脳内麻薬とも呼ばれますが、興奮している状態で分泌されるホルモンで「アドレナリン」とともに交感神経に影響を与えます。
このホルモンが分泌されている状態で水風呂に入ると、血液中に残っている状態で副交感神経が優位に立つのです。本来、これらのホルモンは交感神経が優位に立っているときに分泌されます。それが水風呂に入ると、副交感神経のスイッチが入った状態で残っているのです。深くリラックスした状態になりながらも、頭はしっかりとさえていく。サウナで呼ばれる「ととのい」の状態になっていくのです。

多幸感

脳の中にアドレナリンとノルアドレナリンが分泌されていく中、「エンドルフィン」というホルモンも分泌されます。この「エンドルフィン」とは、幸せ感をもたらす脳内ホルモンです。
高温のサウナと冷やすための水風呂を繰り返すことで分泌されますが、どこかで幸せ感を感じるようになります。これは心地よさの部分にも通じますが、ランナーズハイのような快楽的な部分も研究されるようになりました。つまり、水風呂に入るからこそ、高揚感を感じ、瞑想にも似た状態になる。熱くて冷たく、どこかで苦しさもあるのに幸せ感を感じていく、多幸感にあふれていくのです。
サウナでは「ととのい」という言葉が使われるようになりました。日常生活ではあまり感じられない多幸感こそが、「ととのい」の正体ともいえるのです。

睡眠の変化

睡眠したい男性

日常的に忙しいと、なかなか睡眠時間が確保できなくなっていきます。テレワークの普及によって、通勤時間は大幅に減りました。しかし、それだけ生活と仕事がダイレクトにつながり、睡眠時間の減少を招いている人も増えています。
サウナと水風呂を繰り返していると、睡眠が心地よくなる人も多いはずです。これは睡眠の質の改善という言葉にも置き換えられるでしょう。この状態に影響しているのが、人間の抹消部分と中心の深層部分の体温の差です。
眠くなる仕組みのひとつとして、深層部分の温度が抹消部分より下がった状態があります。この差が大きくなると、眠りに落ちやすくなると考えられているのです。運動して体が温まり、外気で冷やされていくと急激に眠くなることがあるでしょう。これも同じ作用です。
サウナでは、身体全体が温まります。深層部分もゆっくりと温まっていき、水風呂と外気に当たると抹消部分から冷えていくのが仕組みです。
この状態を繰り返すことで、普段忙しい中で睡眠不足になりやすい人もぐっすりと眠りに落ちていきます。
さまざまな研究もありますが、サウナに入ると深い眠りに就けることがわかってきました。質の高い睡眠は、いかに深い眠りに落ちた時間が長いかにかかっています。深い眠りの時間はだいたい約50分程度とされる中、サウナに入ると2倍にも拡大するといわれるようになりました。それも眠りに就いてから早い段階で訪れるため、水風呂を使うことで質の高い睡眠を得られるのです。

正しい水風呂の入り方は?

サウナの後に水風呂にはいると、さまざまな効果を発揮することは分かりました。問題は正しく使うことにかかっています。いきなり水風呂につかればいいわけではありません。正しく使うことによって、リスクを高めずに効果を高められるからです。

水風呂に入る基本

サウナで身体を温めたら、いきなり水風呂に入ってはいけません。まずは身体の汗を流し、呼吸を整えてから水風呂に入りましょう。
水風呂に入るときに負担を感じるのなら、心臓部分に手を当てて身体を丸める感じにすると負担が減ります。
水風呂につかる時間は約1分。あまりに冷たいと感じたら、30秒で上がっても問題ありません。
水風呂に入ってからは、余計な動きなどせずゆっくりと呼吸します。じっとしていると冷たさの次に深層部分からくる温かさを感じるでしょう。この状態で水風呂から上がると、身体に水がまとわりついたような感覚になります。
あとはゆっくりとクールダウンさせるために、外気に当たるのが大切です。このときに何とも言えない多幸感が高まり、「ととのう」という状態になっていきます。

マナーと注意

注意

水風呂に入るときは、必ず汗を流します。なぜならば、多くの人が水風呂を利用するからです。掛け湯をすることで、体温が下がる水風呂の準備効果もあるため、汗を流してから入ります。
水風呂には決して飛び込んではいけません。気持ちは分かりますが、マナーとしても負担を考えてもゆっくりと入ることが大切です。頭までつかりたくなりますが、これもマナーとして反しています。ほかの人も利用する公共の施設なのを忘れずに。
注意しなければいけないのは体調です。身体は急激な変化に耐えられない状態かもしれません。そんなときに無理をしても、サウナの効果は得られなくなるでしょう。特に心臓に持病があるなら水風呂は控えるべきです。
無理して全身つからなくても、水風呂の効果は出てきます。あまりに冷たいと思ったら、無理をせず全身つからないようにしましょう。
呼吸も止めてはいけません。血圧が急激に上昇するからです。水風呂に入った瞬間、ぐっと力が入りますが、血流の負担を増やさないためにも息を吐きながら入るのがポイントです。
大事なことは、サウナに入る前や出た後の水分摂取にあります。サウナでは大量の汗をかくため、身体の水分が減った状態です。この状態で無理をすると脱水症状を引き起こすため、常に水分補給を心がけましょう。

水風呂は何度がいいのか

温度計


水風呂はサウナで温まった身体を冷やすために使います。冷たい方がいいと思いがちですが、実は適正温度があるのです。この温度によって、水風呂の入り方も変わってきます。

15度の境界

水風呂は16から17度としているところが増えました。有名店の水風呂は15度以下はあまりありません。なぜでしょうか。
サウナで温まったあと、15度ぐらいの水風呂はひんやりとした冷たさを感じる限界です。
サウナ後の体温は42度ぐらいにもなり、20度以上の差ができます。そうなったとき、15度以下になるとショックが強すぎるのです。
この温度帯は、家庭でのシャワーでも使えます。お風呂に入ったあと15度ぐらいのシャワーを浴びるだけで、血流促進させられる手軽な方法です。
入る時間は1分程度。これ以上はいる必要はありません。長く入っていると深層部分の温度も下がるため、逆効果になるからです。

10度以下の場合

水風呂の中には一けた台の水温もあります。非常に冷たい水風呂で、身体が慣れていないとリスクが高い温度です。慣れている人でも10秒程度が限界で、それ以上は身体の負担が大き過ぎるため注意が必要です。普段からこうした水風呂を利用している人でなければ、避けた方がいいでしょう。

ぬるく感じる20度以上

20度以上になると、身体の負担はかなり減る水風呂の温度帯です。冷たさを感じても、呼吸ができないほどではありません。サウナ好きの人には物足りなさを感じるかもしれませんが、慣れていない人にはちょうどよく感じるでしょう。安心してつかれる水風呂の温度ですが、効果が低いというわけではありません。心地よさの追求という部分では適しているともいわれます。

知っておきたい水風呂の知識

悩む人

水風呂にはさまざまな効果があり、温度設定もあります。大事なことは身体をクールダウンさせることにありますが、ほかにも知っておいて損はない知識がたくさんあります。

飲酒後のサウナと水風呂は危険

アルコールを抜こうとサウナを利用する人がいます。実はこの行為は大変危険です。アルコールを飲むと、身体から水分が出ていきます。利尿作用の結果ですが、体内の水分が減った状態になるのです。
サウナでは大量の汗をかきます。この状態でサウナを使い水風呂に入ると、急激な脱水状態となり大変危険です。
サウナ後のお酒は大変美味しく感じます。ですが、水分補給もせずに飲酒すると脱水症状を加速させるのです。
お酒で水分補給できるように見えますが、実は水分補給はほとんど期待できません。水分を吸収する段階の前に身体が分解しようとするからです。利尿作用と相まってリスクが高まるため、水分補給を意識しながら楽しみましょう。

自律神経の切り替わるタイミングがいい

神経

サウナと水風呂を利用すると、交感神経と副交感神経が入れ替わることにポイントがありました。この状態は普段生活しているときでも当然起きています。それが朝と夕方です。
朝は、これから仕事と緊張感が出てきます。交感神経が優位に立つ状態です。夕方になると逆にリラックスし始め、副交感神経が優位に立ちます。だんだんと眠気が出てくるのも副交感神経が優位に立った証拠です。
このタイミングでは、血流が滞りやすくなることから、サウナと水風呂を使うと効果的とされてきました。眠りの質や仕事へのモチベーションを高めるためにも、タイミングを合わせてみるといいでしょう。

水風呂は絶対じゃない

サウナには水風呂がつきものと思うかもしれません。ですが、絶対に必要というわけではなないのです。身体の外側にある抹消部分の温度を下げることが水風呂の大きな目的です。ですので、水風呂が苦手なのに無理してはいる必要はありません。温度を調節しながらシャワーを浴びるだけでも近い効果が得られるため、無理せず使うことが大切です。

まとめ

水風呂に入る女性

水風呂につかるのは、サウナの効果を高める大事な段階です。大事なことは設備の配置にもあります。
たとえば、サウナで温まったのに水風呂が遠かったら、なんだか興ざめしますよね。さらに休憩所が少なく、うまく使えないと「ととのい」も得られません。これではせっかくの水風呂も役立たずです。