サウナでの「ととのい」?疲れを癒しリラックス状態に導くポイント!

リラクゼーションする女性

サウナの歴史は古く、原型は石器時代にあったとされています。日本でも空前のサウナブームといわれるようになり、「ととのい」「整う」という言葉も広まってきました。
「整う」の本来の意味は「望ましい状態となる」ということ。では、サウナでの「ととのい」とはなんでしょうか?言葉の意味を知ると、今から「ととのい」にサウナに行きたくなりますよ。

サウナで「ととのい」の意味は?

テレワークが働き方の主体となった現在、用事でもないと外出する機会はかなり減りました。
これまで仕事の帰りやついででストレス発散できていたことも、たくさんあったはずです。
今ではストレス発散するなら、改めて出かけなければいけないようにもなりました。
そんな社会情勢の中で、サウナを利用する人が増えています。手軽に汗をかけるメリットもありますし、個室や人数制限をした施設も増えてきているのは、コロナ禍などの情勢にフィットさせてきた結果です。
その施設の変化が安心して利用できる環境となり、新たなサウナ文化として大きく花開きはじめました。サウナに関する雑誌も出版され人気が高まっています。
その中で、「ととのい」というワードが出てくるようになりました。一般的に使われる「整う」とはちょっと違った意味が隠れています。

「ととのい」ってなに?

人の脳

サウナを使う理由はいくつもありますが、大事なことは疲れを癒しリラックスすることでしょう。
仕事帰りや予定が決まっていない休みの日など、リラックスしたい瞬間はいろいろあるはずです。
「ととのい」とは、このリラックスにつながるトランス状態に近いことを指すようになりました。
マラソンの経験のある人は、一定の距離を超え始めると突然体が軽くなり、どこまででも走れると思う状態がくる経験があるはずです。
ランナーズハイと呼ばれますが、苦しいのに気持ちいい。不思議な感覚のときがやってきます。「ととのい」とはこの状態に近いのです。
「ととのい」は、ただサウナを使えば感じられることではありません。いくつかのコツやポイントがあります。
まずはサウナで体を温め水風呂につかり、外気で体をクールダウンしながら休憩。これを3回ほど繰り返していくと、まるでランナーズハイのような状態になっていきます。
この状態こそサウナ好きがいう「ととのい」なのです。

「ととのい」の正体とは

サウナの「ととのい」とは、苦しいのに快感があるような幸せな状態です。多幸感ともいえますが、いくつかの解釈がされてきました。
まずはサウナと水風呂の関係を考えてみましょう。
熱いサウナに入浴すると、体温も上昇し血管が広がります。このときは副交感神経を刺激している状態です。
サウナ室から出て水風呂に入ると、一気に体温が下がります。このときは交感神経を刺激している状態です。
自律神経のなかでも副交感神経はリラックスに影響し、交感神経はシャキッとするような興奮状態に作用します。サウナと水風呂は、リラックスしながらシャキッとする状態を繰り返しているのです。
人間の体は42度から43度までが耐えられる体温で、これ以上は危険なことから痛みになって教えてくれます。
低温域は16度から17度です。これ以下になると危険なため同じように痛みを感じます。お湯が手にかかれば、火傷しなくても痛いと感じるはずです。氷を手に置けば、やがて冷たく痛いと感じるでしょう。
サウナと水風呂を繰り返すと、脳は興奮しながらもリラックスが共存している状態になるのです。
もう少しこの状態を見ると、サウナに入浴して血管が拡張します。
水風呂に入ると急激に体温が下がり、血管は収縮するのです。さらに外気で体を冷やすとゆっくりと血管が開き始め、血流がよくなるのです。
脳に流れていく血液も同じで、血液中の酸素がじわりじわりと供給されます。頭は酸素が少なくポーっとしている状態なのに、酸素が増えて覚醒していく状態。
まるでランナーズハイのようだと表現されるのも、この感覚が似ているからです。

「ととのい」ってサウナの専門用語?

脳とサウナ

「ととのい」とは、サウナ用語として古くから使われてきた言葉ではありません。それどころか、日本だけで使われている言葉です。
もともとはサウナ愛好家のブロガーが提唱した多幸感を表した言葉とされています。それが「整う」という漢字でした。やがてほかの漫画家が自身の作品で「ととのう」と表現したのが、今の使い方の始まりといわれています。
「ととのう」という言葉も一般化していく中、日本サウナ学会でも説明されるようになりました。
海外ではサウナに伴う多幸感を表す「ととのう」のような言葉はありません。英語でも存在しないため、日本独自のサウナ用語です。そのため、海外では「TOTONOU」と書かれます。
日本人は日々忙しく、リラックスできるような時間がなかなかとりにくい場合もあるでしょう。
サウナは基本一人で楽しむ場所。いいところ3回に1度ぐらい友人の1人を誘うぐらいの基本少人数で利用するものです。
そのときに思う存分リラックスできる。人数制限などで気を遣わずにスペースを使えるサウナが増えたことで、「ととのい」の感覚が得られやすくなったことも言葉の普及の背景にあるのです。

自律神経も「ととのう」

交感神経は興奮を手助けし、副交感神経はリラックスや睡眠につながります。
サウナで繰り返していると、「ととのう」のと同じように自律神経を刺激するのです。これがサウナあとの疲れが抜けた深い睡眠にもつながります。
睡眠がとれるようになれば、肌のターンオーバーなどにも影響を与えます。ターンオーバーには、成長ホルモンの存在が重要です。この成長ホルモンの分泌が最も盛んになるのは22時から翌2時の間です。
それも睡眠中に分泌されるため、適切な睡眠が欠かせません。
成長ホルモンの影響は肌にとどまらず、髪の成長にも使われています。副次的な部分ですが、サウナの「ととのい」によって好影響がでる可能性が高まるのです。

「ととのい」たいなら大事なサウナのポイント

チェック

サウナ上がりのお酒を楽しみたい人、疲れを癒したい人。いろいろといるでしょう。サウナで「ととのい」たいなら、いくつものポイントがあります。知らないとサウナで損をする大事なポイントです。

「ととのい」たい人のサウナの向き合い方

サウナは、何人も連れ立っていくところではありません。サウナ室の熱い環境の中で自分と向き合ってみるからこそ、「ととのい」が見えてきます。
お店によってサウナ室の温度設定は違いますが、一般的な80度から90度なら7~8分程度、100度などの高温サウナなら5分程度です。
サウナ室にいると、じわじわと体が温まっていくのがわかり、にじむように汗が出てきます。だんだんと厳しいと感じたときに、サウナ室を出たときのことを考えてみましょう。
ふわっと感じる常温の空気。水風呂の冷気とさっぱり感。これだけでサウナの心地よさが変わってきます。ただし、無理をして長居してはいけません。リラックスして「ととのい」を感じるのですから、健康な状態が必要だからです。

シャキッとさせて疲れが抜けていく水風呂の魔力

水風呂

サウナ室から出たらシャワーを浴びて汗を流せば、思いっきり水風呂を味わう瞬間がやってきます。水風呂の温度は大体20度。
あまりに低いとサウナ依存症になりやすいため、これぐらいの温度で1分が適切です。10~15度などあまりに低い設定の場合には、一瞬で出るぐらいの気持ちで問題ありません。
水風呂が苦手なら、心臓の周辺を手で囲うようにして入るといいでしょう。足からゆっくりとつかれば、20度程度の水風呂なら大きな負担はかかりません。
体を慣らしながら肩までつかり、ゆったりとしていると反射的に温かいと感じる錯覚を覚えます。体が水風呂で包み込まれているような感覚になれば、緊張しながらもリラックスできる状態です。これが「ととのい」の前段階といえます。

休みながら外気を楽しむ

外気浴

急激に繰り返すのではなく、体を休めながら楽しむのが、サウナで「ととのい」を感じるポイントです。水風呂から出たら体をふき、専用の休憩スペースで外気を楽しみましょう。
室内しかないときでも、休憩用の椅子に座るとリラックスしていく感覚がわかるはずです。
体の表面に感じる水風呂の冷たさから徐々に戻り、とろけていくような感覚。くつろぎともいえる時間がゆっくりと過ぎていきます。これこそサウナの心地よさで、忙しい毎日の疲れが溶け出していくのが感じられる瞬間です。
空気の温度が感じられるようになると、体が覚めてきた合図。すっきりとした状態になったら2回目に入ります。繰り返していくと、さらに覚めた感覚になり、リラックス状態も明確に感じられるようになるはずです。
余計なことは忘れて、時間と空気の流れに任せてみると、瞑想に近い状態に近づいていきます。
これこそが「ととのい」の瞬間で、なんとも表現しがたいサウナの時間になるのです。
忘れてはいけないのは水分の補給。「ととのい」にも大事なことですので、入る前や休んだ後は水分を補給することが大切です。

「ととのい」に大事なサウナ選び
日頃の疲れを癒し「ととのい」たいなら、サウナ選びも大切です。どんなサウナが「ととのい」に導いてくれるか考えてみましょう。

サウナは騒ぐ場所じゃない

会話する男女

サウナはほとんど個人利用のようなもの。自分と向き合い、自分自身と会話しながら温まっていくのが大切です。何人も連れ添って利用するより、一人か二人で静かに利用するのが「ととのい」の条件ともなるでしょう。
「ととのい」のために、ほとんどの人がしゃべらずに静かにサウナを利用しているほうが空間的なメリットがあります。しゃべっている余裕より、だまって熱気を楽しむことが自分自身に向き合うポイントだからです。

サウナ以外に気を使わない環境

サウナを利用するのに、なんだか気を使って落ち着かない場所もあります。「ととのい」大事なことは外気にあたりながら休憩する時間。外に出られなくても、椅子の数がしっかりとあれば、心配はいりません。ゆったりと時間を過ごすことが「ととのい」につながる以上、少し余裕を感じられるサウナを選ぶのがポイントです。
清潔な環境も大切でしょう。リラックスしていくからこそ「ととのい」を感じられます。銭湯は苦手だけど、サウナが好きという人の多くは、清潔な環境を求めていることがあげられるはずです。個室とはいわないものの、汚れなどあまり余計なことに気を取られずに利用できるサウナを探すことは、「ととのい」の大事な条件になります。

自分でも守るサウナのマナー

マナー

「ととのい」はリラックスであり、環境を利用することが条件として付いてきます。清潔な環境につながるように、サウナに入る前には体と髪は洗うことが大切です。自分一人ではないことを忘れてはいけません。タオルも巻いて利用するのがマナーになっています。
何人かで利用する際も、大声で話すのは厳禁です。サウナ室はそこまで大きなスペースではありません。大声で話してしまうと、声が響いて集中できないことが出てきます。「ととのい」にも影響が出てしまうので静かに利用しましょう。場所取りなどをして、ほかの人に影響を与えるのもマナー違反です。
水風呂に入るときは、先に汗を流し、もぐったりしないようにしましょう。気持ちは分かりますが、ほかの人の利用を妨げることは間違いありません。清潔に使うという面でも、そんな水風呂に入りたいでしょうか。マナーとは、自分に置き換えてみるとわかるものなのです。

まとめ

どうでしょうか。「ととのい」を知ると、サウナに行きたくなりませんか?「ととのい」を求めるなら、整備された清潔なサウナが欠かせません。
そんな「ととのい」たいあなたには、こちらのサウナ施設がおすすめです