「整う」ってなに?今話題のサウナについて解説します!

ととのう女性
ととのう 女性

近年のサウナブームによりサウナを利用する人も増加してきました。
これからサウナを利用してみようと考えている方もいるかと思いますが、読者のみなさんは「整う」って知っていますか?
サウナ好きの方々、いわゆる「サウナー」の中では当たり前の単語である「整う」。
 今回はサウナで「整う」の意味について解説し、正しいサウナの入り方や効果、注意点を詳しく解説していきます。
この記事を読み終わった後には、あなたもきっと整いたくなっていること間違いでしょう。

サウナで「整う」とは?
サウナで「整う」とは、サウナ→水風呂→外気浴の温冷交代浴を繰り返すことにより、心身が落ち着いた状態を指します。
この状態はマラソンのランナーズハイの感覚に近いとも言われており、人によって感じ方はそれぞれです。
ネットの口コミを見てみると、「ほろ酔い気分」、「無我の境地」、「脳天に電気が走る」などさまざまな感想がありますね。
サウナで整うが今流行している大きな要因は、タナカカツキ氏が手がけるサウナ漫画「サ道」にあります。
2021年にはドラマ化されたことをきっかけ世間にサウナブームを引き起こし、「整う」というワードが流行していきました。

そもそもサウナって何?

サウナ

サウナとは蒸気や遠赤外によって80℃以上の高温になった部屋に入り、体を温めて汗をかく温浴法です。
 サウナはフィンランド発祥であり、一般的なサウナはフィンランド式の「ドライサウナ」のことを指します。
ドライサウナの他にも低温で湿度が高い「ミストサウナ」があります。
ミストサウナはドライサウナと比較して温度が低いため、高温が苦手な方でも利用しやすい点が特徴的です。
サウナでは室内に入って体を温め、水風呂に入り体を冷やし外気浴で休むことで、疲労回復効果や快眠効果などが得られます。

サウナで整う理由

サウナ初心者の方の中には「サウナに入るだけで整うのでは?」と思っている方もいるかもしれません。
しかし、整うためにはサウナに入るだけでなく、サウナ後の水風呂と外気浴が欠かせません。
なぜ水風呂と外気浴までセットで行う必要があるのか、その理由は交感神経と副交感神経の働きにあります。
高温のサウナから低温の水風呂に入ることにより体に負荷がかかることで交感神経が働き、その後外気浴を行うことで副交感神経が優位に働き体はリラックス状態に。
ただし直前まで交感神経が働いていたため、脳内には鎮痛効果や気分の高揚・幸福感などが得られる脳内物質「β-エンドルフィン」※が分泌されています。 
β-エンドルフィンが分泌されており、副交感神経が優位に働きリラックス状態に入る、これが「整う」の正体です。
 つまり、サウナに入るだけでは副交感神経が優位に働いておらず、心身はリラックス状態になっていないのです。
 ※β-エンドルフィンとは?
β-エンドルフィンは「脳内麻薬」や「脳内モルヒネ」とも言われており、脳内で情報を伝える神経伝達物質の一種です。
β-エンドルフィンは快感や多幸福をもたらす他に、集中力や生産力を高める効果もあります。

サウナの整うことにより得られる効果

サウナでは整うことは気持ち良い感覚が得られるだけでなく、さまざまな健康効果も期待できます。
夜なかなか寝付けない、体の疲れが取れにくい、肌荒れに困っているなどの悩みがある方にとって、サウナはおすすめ温浴法なのでぜひ利用してみてください。

リラックス効果

リラックスする女性

サウナに入ると体の内側から温まり、筋肉のこわばりがとけて体のうちからリラックス状態となります。
またサウナの中は、スマホやパソコンなどから情報から完全に遮断されており、高温の室内で長く居続けるため、他のことを考える余裕もなくなります。
そのため、悩みや考え事もサウナに入っている間は忘れられるため、よりリラックスしやすい状態になるのです。
さらに目を瞑ってゆっくりと深呼吸をすることで、より心身を落ち着かせることができます。

疲労回復効果

サウナに入ると血流が通常時の約2倍に高まります。
その結果、体の酸素の摂取量が増え筋肉疲労物質を分泌するなどして肉体の疲労を回復し、エネルギーが再生産されて疲労回復効果が期待できます。
また、整っている状態は体がリラックス状態となっている点も、疲労回復効果の要因の一つなのです。
特に運動後や仕事終わりなどの肉体的な疲労が溜まっているときには高温のサウナに入ると良いでしょう。
ストレスや心労などの精神的な疲労の場合は、ぬるめのサウナに長時間入りじんわり汗をかくことがおすすめです。

肌トラブル解消

美肌 男性

サウナでは大量の汗をかくため、皮膚にたまっている余分な脂や老廃物が汗とともに排出され、ニキビ予防につながります。
サウナでかく発汗は古い角質を落として新しい細胞ができることを促す効果もあるため、肌のターンオーバを整えることができ、肌荒れを防ぐ効果もあります。
また血流もよくなるため、体全体に酸素や栄養が行き渡り、肌を健康的な状態に保つことも可能です。
ただし、汗には老廃物も含まれているため、汗をかいた状態を放置しておくと逆に肌トラブルの原因にもなるため、注意が必要です。
汗をそのままにせず、必ずかけ湯やシャワーなどで汗を流すようにしましょう。

快眠効果

睡眠後の男性

サウナに入ると大量の汗をかくため運動後のような疲労感を得られ、適度な疲労感は快眠効果にもつながります。
また血流がよくなるため、体だけでなく心も落ち着いた状態となり、適度な疲労感と相まってより快眠しやすい状態となります。
実際にサウナに入ったことで75%の人が睡眠の改善が得られたという報告もあるので、なかなか寝付けない人はサウナに入ってみてはいかがでしょうか。
参考記事:【サウナの科学】最新研究で判明!サウナに入ると75%が睡眠の改善を実感

ダイエット効果

ダイエット

サウナで体温を上げると甲状腺ホルモンが活発になり代謝が上がります。
代謝が上がることで脂肪燃焼しやすい体となり、さらには消費カロリーも増えるためダイエット効果につながるのです。
またサウナで大量の汗をかくと、体内の余分な水分や塩分も排出できるため、むくみの解消にもつながります。

整うためのサウナの入り方

サウナで整うためには正しい入り方でサウナに入る必要があります。
正しい入り方を行わないと効果が十分に得られない場合があるので、下記で解説する入り方を参考にしましょう。

体と髪をしっかり洗う

シャワー

まずはサウナに入る前に体と髪をしっかりと洗い汚れを落とします。
皮膚が汚れている状態では汗をかきづらく十分にサウナの効果を得られません。
またサウナはみんなが汗をかく場所なので、一人一人が体を洗わないと衛生的にも良くありません。
みんなが気持ちよくサウナを利用するためにも、サウナに入る前には入念に体と髪を洗うことがエチケットです。

湯船に浸かって体を温める

お風呂

サウナに入る前に湯船に浸かって体を温めておくとさらに効果が高まりやすいです。
湯船に入らずサウナに入ってしまうと、体の内側まで温まるまでに時間がかかってしまいます。
特に高温の場所に長く入ることが苦手な方の場合、体が十分に温まっていない状態でサウナから出てしまう可能性もあります。
体の内側まで十分に温めっていない状態で水風呂に入った場合、サウナの効果が十分に得られません。
サウナ室は高温であるため、体が冷えている状態で入ると体の負担も大きくなってしまうため、まずは湯船に浸かって体を温めておきましょう。
また湯船に入ることで肌の湿度が守られるため、より高い発汗作用も期待できます。
湯船に浸かる時間の目安はおおよそ10分くらいで大丈夫です。

サウナに入る

サウナ

サウナに入ったら体の芯まで温めることが重要です。
サウナは高い場所の方が温度は高くなっているため、長く高温の場所にいることが苦手な方は低い場所で体を温めるのも一つの手段です。
おおよそ6~12分ほどサウナに入っていると体が温まります。
初めてサウナを利用する方の場合は、まずは5分程度から初めてみてサウナになれることをおすすめします。
ただし時間はあくまで目安なので、辛くなったらすぐにサウナから出るようしましょう。
サウナを利用する方の中には、室内で我慢比べをする方もいますが、無理に高温の場所に居続けるのは体にも良くありません。

水風呂につかる

水風呂

サウナから出たらまずはかけ湯やシャワーで汗を流します。
ごく稀にかけ湯等で汗を流さずにそのまま水風呂に入る方もいますが、他の方の迷惑になるのでやめましょう。
また迷惑をかけるだけでなく、急に冷たい水に浸かると心臓にかかる負担も大きくなるので、ぬるま湯で体の温度を下げることをおすすめします。
かけ湯やシャワーで汗を流したら水風呂に浸かります。浸かる時間の目安はおよそ30秒から1分程度です。
冷たい水に浸かるのが苦手な方は、両脇に手を入れて入浴すると冷たさが緩和できるので試してみてください。

外気浴で体を冷ます

外気浴

水風呂で体を冷やしたら、外気に当たれる場所で体を冷ましましょう。
座って外気に当たるのも効果的ですが、できれば仰向けに寝られる場所で外気浴をするとより気持ち良くなります。
外気浴で心身ともにリラックスできている状態がまさに整っている状態です。
外気浴の目安は5~10分程度ですが、気持ち良い感覚が続く限り休憩しても大丈夫です。
ただし、外気浴を満喫しすぎて体を冷やさないように注意してくださいね。

2~3セット繰り返す

サウナ、水風呂、外気浴を1セットとし、2~3セット程度を目安に繰り返すことで、より効果が期待できます。
ただしあくまで目安なので、体の調子に合わせて無理せずに楽しみましょう。

サウナを利用するときの注意点

サウナは体への負担も大きいので、間違った入り方をしてしまうと危険なケースもあります。
またルールやマナーを守らないと、他の利用者の方にも迷惑をかけてしまう可能性もあります。
下記で解説する注意点に気をつけて正しい方法でサウナを楽しみましょう。

サウナに入る前に水分補給を行う

水分補給

サウナでは大量の汗をかくため、入浴前に水分補給を行っておく必要があります。
水分が少ない状態でサウナに入ると体調を崩す恐れがあり、最悪の場合脱水症状に陥る可能性もあるので注意が必要です。
水分補給に適した飲み物として、ポカリスエットのようなスポーツ飲料水が挙げられます。
これは人間の汗には、水分の他にナトリウム(塩分)などが含まれているためです。
発汗で失った水分を水やお茶などで補給すると、失ったナトリウムなどが補給できません。
そのため、水分だけでなくナトリウムなども補給できるスポーツ飲料水で水分補給を行うことが好ましいです。

食後と空腹時は避ける

サウナに入ると血液が体中に分散してしまうため、食後の場合、消化器官に血液が集まらず健康上良くありません。
食後すぐのサウナは避けるようにし、食後にサウナを利用する場合は、1~2時間ほどの食休みを入れてから利用するようにしましょう。
また空腹時にサウナを利用すると、低血糖になりやすく転倒の危険もあるので、空腹時も避けてください。

飲酒後は入らない

お酒

サウナに入ると血管が広がり、血流が促進されます。
アルコールを摂取した場合も同様に血管が広がるため、飲酒後にサウナに入ってしまうと血管が大きく広がり血圧が急激に下がってしまい非常に危険です。
血圧が急激に下がってしまうと、目眩や頭痛、意識を失ってしまうケースもあります。
サウナ室で意識を失ってしまうと重度の熱中症になってしまう可能性もあるので、飲酒後は絶対にサウナを利用してはいけません。

大声で話さない

サウナ室内では大声での会話は控えることをおすすめします。
サウナに集中している利用者の方もいるので、大声で会話してしまうと迷惑をかけてしまいます。
またコロナウイルスの影響で黙浴が推奨されている施設も多いです。
施設によっては会話OKのエリア、サウナ室内は黙浴など掲示物で注意している施設もあります。
必ず施設の案内従った行動をして他のサウナや温泉を楽しんでいる人の邪魔にならないようにしましょう。

タオルやマットを敷いてから座る

サウナ室の椅子に直に座ってしまうと汗で汚れてしまい次に利用する人に迷惑をかけてしまいます。
自分が座る場所にはタオルやマットを敷き、次の人が気持ちよく使えるように配慮することがマナーです。
施設によってはマットを貸し出している場所もあります。施設のマットを利用した後は、マットについた汗も洗い流すことも忘れずに行いましょう。

施設のルールを守る

ルール

施設によってはサウナを利用する際のルールが決められているところもあります。
利用者の一人一人がルールを守ることで気持ちよくサウナを利用できるため、施設にルールが決められていた際には、事前にルールを確認しておきましょう。

サウナを正しく利用して「整い」ましょう!

ととのう女性

サウナに入るだけでなく、水風呂と外気浴までセットで行うことで「整う」状態となります。
これまでサウナのみ利用してきた方は、ぜひ水風呂と外気浴まで行ってみてください。
一度「整う」感覚を味わってしまうとサウナの魅力に取り憑かれてしまうこと間違いなし。これであなたも立派なサウナーです。
サウナでは気持ち良い感覚を得られるだけでなく、リラックス効果や疲労回復、快眠効果、肌トラブル解消などさまざまな健康効果も期待できます。
仕事で疲れた、睡眠の質が低い、肌荒れがひどい、こんな悩みを抱えている方は、ぜひサウナを利用して整ってみてはいかがでしょうか。